岡本和真が秘めていた究極の打者像。高校では本塁打への執着を捨てていた (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

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「バッティングがホントに柔らかくて、何回も見たくなるんです。パワーだけじゃなく技術で飛ばしている感じがして、いつも『すごいなぁ』と思って見ています」

 その中村について、恩師である大阪桐蔭の西谷浩一監督はこんなことを語っていた。

「大会でも常に4割から5割ぐらいの打率を残していたと思いますし、三振もしないですし......僕のなかでは空振りを見た記憶がほとんどない。そんな選手でした」

 プロ入り後は、割り切って空振りや三振を恐れないスタイルをつくり上げ、自身の最大の魅力であるホームランを追い求めたが、高校時代の中村は高いレベルで率を残しながら本塁打の打てるスラッガーだった。

 対して高校通算73本塁打の岡本も、公式戦では常に高打率をマークするなど、中村と同じくただホームランを打つだけの打者ではなかった。勝負強さも抜群で、中学時代からこだわってきた逆方向のバッティングや、変化球への高い対応力など、"打てる要素"をいくつも備えた打者だった。

 打者として申し分のない実績を残していた岡本だが、唯一、物足りなさを感じていたのがホームランへのこだわりだった。

 2014年のドラフトで巨人から1位指名を受けた岡本は、こんなコメントを残している。

「ケガをしない体をつくるなかで、ずっと活躍できる選手になりたい。いずれはホームラン王も獲りたい」

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