2019.06.08

DeNAロペス「悪送球されてもいい」。
坂本勇人と語り合った守備論

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 4月5日に横浜スタジアムで行なわれたDeNA×巨人戦。6回表にゴロをさばいた遊撃手・大和からの送球を無事に捕球したホセ・ロペスは、一塁手の連続守備機会無失策記録を1226とし、巨人時代にイ・スンヨプがつくったセ・リーグ記録を更新した。

 そして5月16日の中日戦では、東京オリオンズ時代に榎本喜八が記録した1516守備機会連続無失策を51年ぶりに塗り替えてみせた。

2013年に来日して、これまで4度ゴールデンクラブ賞を獲得しているホセ・ロペス 驚くべきことである。

 たしかに無失策記録はすごいことだが、手首の柔軟性に長(た)けたロペスなら、守備がうまいことは十分に納得がいく。だが来日するまでのメジャー9年間で、ロペスはほとんど一塁を守ったことがないのだ。

 シアトル・マリナーズなど5球団でプレーしたロペスは、おもにセカンドとサードを守り、ファーストの経験は51試合だけ。もっと詳しく言えば、守備についた8341イニングのうち、ファーストのポジションについたのは336イニングだけ。これまでほぼ経験のなかったポジションで連続守備機会無失策記録を達成したけでなく、来日してからの7年間でゴールデングラブ賞を4回も受賞している。ロペスは次のように語る。

「2013年のシーズン前に日本からオファーが来た当時、日本ハムなどで活躍したフェルナンド・セギノールがジャイアンツのスカウトをしていました。彼に『ファーストもできるか』と聞かれたので、『もちろん、どこでも守る気がある』と伝えました。アメリカに残ればメジャーでプレーできる保障もないですし、マイナーに行かされたりするのは嫌でした。ジャイアンツだとファーストで出られるチャンスがあると聞き、『じゃあ、ファーストというポジションを自分のものにしよう』と決めました」

 ロペスは続ける。

「一塁手は何が大事かと考えたら、内野ゴロは必ずアウトにすることだと思いました。ゴロを打たせてアウトにならなかったらピッチャーはかわいそうですし、野手がしっかり捕球して送球したのに僕が捕らなかったらチームの迷惑になる。だから、自分の仕事はそういったチームメイトを支えることだと思いました。その役割を果たすことができれば、最高に幸せだと感じるようになりました。だから1年目にゴールデングラブ賞を獲得したことは、とても気持ちよかったです。少しでもチームに貢献できたかなと、満足感がありました」