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日本の野球は疑問だらけ。
ワニ男パリッシュは人形に怒りをぶつけた (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 日本に来て驚いたのは、練習が長いこと。ウォーミングアップ、ストレッチ、ランニング、バッティング、どれも長すぎる。暑い日でも長い時間、練習するだろう。あれじゃ、体力を消耗するだけだよ。体力は試合のためにとっておくもので、練習が長ければいい結果が出るというものではない。

 日本の練習は選手もコーチも、何かしていなきゃいけないという前提があるせいか、大変なふりをしているように見える。そういう取り組み方は悪いクセを身につけさせるだけだよ。選手たちはシャワーを浴びながら不満を口にしているけど、コーチには言わない。コーチに進言することは日本では許されていないからね。アメリカではおかしいと思ったらコーチに質問できる。不満を感じながら練習しているんじゃ、気力も萎えてしまうし、選手が集中力を保つのも難しいと思う。

 私は完璧主義者で、うまくいかなかったときは、なぜうまくできなかったのか、頭のなかでリプレイするようにしている。こうすればもっとうまくできるはずだったのに、という答えを見つけないと寝られないんだ。

 三振が多いことをあれこれ言われるけど、日本のピッチャーはストライクを投げてこないだろ。アメリカでは考えられない。私はフリースウィンガーだし、バットを振るためにバッターボックスに立っている。最初から歩かせようなんて野球は、やったことがないんだ。

 でも日本では100回以上、そういう思いをさせられた。フォアボールで一塁へ歩くなんて、何もしていないのと同じじゃないか。そんな考え方はエゴだと言われるし、出塁すればチームのためにもなる。きちっとボール球を選ぶ目を持っていたら、私の球歴はもっと輝かしいものになっていたかもしれない。

 でも、私はガマンできない。なぜなら私はピッチャーに対して、あなたの投げるボールをどこまでも遠くへ飛ばせるんだ、ということを示すためにバットを持っている。だから、ピッチャーが投げたら、バットを振る。私には当たり前のことなんだ。

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