「雄星ロス」に追い打ち。主力が離脱のレオ先発陣に救世主は現れるか
昨年リーグ制覇を成し遂げたものの、チーム防御率はリーグ最下位の4.24。さらに規定投球回に達したのはわずか2人だけだったという西武投手陣。しかもそのうちのひとりで、昨年14勝4敗、防御率3.08(リーグ2位)という成績を残した絶対的エース・菊池雄星もメジャーに移籍し、今シーズンは先発の駒不足がささやかれている。
2015年には17試合に先発した郭俊麟「もちろんそのつもりです」
3月2日、佐賀でのオープン戦後、西武の辻発彦監督は、この日先発し3回を1安打無失点と移籍後初のマウンドで結果を出した内海哲也のローテーション入りについて、こう言及した。
「内海に関しては内容どうこうというより、この時期に3回投げられたことが大きい。スピードは出てなくても、ああやって投げればちゃんと抑えることができる。若いピッチャーには、ああいうのをしっかり見てほしい」
通算133勝のベテラン左腕の好投に、辻監督もホッと胸をなでおろしたはずだ。しかし、その登板から数日後、上腕の肉離れにより"開幕絶望"のニュースが駆け巡った。
その内海とともに、今年の西武の先発陣の中心を担うのは、昨年2ケタ勝利を挙げた多和田真三郎(16勝)と榎田大樹(11勝)であるのは誰もが認めるところだった。
ところが、榎田はキャンプ中に左肩とハムストリングの張りで離脱。さらに昨年最多勝に輝き、辻監督から早々に開幕投手に指名されていた多和田までもが扁桃炎による発熱でダウン。調整遅れは必至の状況だ。
本来、"表のローテーション"を形成すべきベテランたちが揃って離脱する事態は、開幕を前に危機的状況と言っていい。
辻監督はこう本音を漏らす。
「ウチらにそんな先発ピッチャーいないよ。ほかに誰がいるの? こっちが教えてほしいよ」
これを額面通り受け取れば、オープン戦の先発投手がそのまま開幕後もローテーションを守ることになるとも考えられる。しかし、"表ローテーションの3人"が抜けた今、続くピッチャーは誰なのか。
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