2019.02.27

小園海斗と中村奨成、広島ドラ1に明暗。
プロの世界で生き抜くリアル

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 広島の一軍が宮崎・日南キャンプを打ち上げて沖縄に移動する日、一軍が使っていた天福球場に二軍の若い選手たちが移動してきた。なかには、調整中の今村猛や永川勝浩のような実績のある選手もいるが、ほとんどが10代~20代前半の”ヤング・カープ”たちだ。

 やがてバッティング練習が始まると、そのなかに”丸”を見つけた。両足に根が生えたようなどっしりとした構え。下半身がまったくぶれない安定したスイング軌道。タイミングが合った時のグングン伸びていく弾道。グラウンドレベルで見ていると、まるで”丸佳浩”がまだチームに残っているような錯覚を覚える。

高卒ルーキーながら一軍に帯同し、奮闘している広島・小園海斗 その選手が、昨年のドラフトで広島から3位指名を受けて智弁和歌山から入団した林晃汰(182センチ、90キロ/右投左打/内野手)だ。左打ちの長距離砲として、丸はもちろん、松山竜平、岩本貴裕の後釜に……と大きな期待を担って入団してきた。

 グリップを頭上に掲げる迫力のある構えから、バットのヘッドをグラグラと動かして、少々粗っぽくても当たればスタンドインというスイングスピードに、対戦した多くの高校生投手が圧倒されてきた。そんな林の打撃フォームが変わっていた。

 フォームに不自然なところがなく、バットはサッと出しやすそうな位置に構え、バットをグラグラさせることもなく、インパクトの精度を上げている。高校時代のような”むちゃ振り”をしなくても、同じような飛距離を出せて、同じような速さの打球が飛んでいく。

「合同自主トレが始まるまで、中谷仁さん(元プロ野球選手で、現在は智弁和歌山の監督)が林にプロに入るための心構えなど、ずいぶんと話してくれたらしいんです。ありがたいことです」

 そう語るのは、林を強く推薦し、指名にこぎつけた鞘師智也(さやし・ともや)スカウトだ。

「1月の新人合同自主トレの時も、夕食を食べてからひとりで室内(練習場)に行ってバッティング練習をやっていましたからね。あんなにひたむきな一面があったのかと……新しい発見でしたね」