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引退試合後に後藤武敏を喜ばせた、
息子からのまさかのサプライズ (4ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Kyodo News

―― 同学年の平石監督とはプライベートな部分のお付き合いも?

「こういう関係性になったのでなかなか難しいですが、食事に行けば和気あいあいです。だけど、グラウンドでは監督、コーチとしっかりけじめをつけたいですね。また、一軍打撃コーチになった小谷野(栄一)も同学年です。一緒に食事に行くと『監督を男にしようぜ』って話はしています」

―― 交流戦で中日と対戦する時、二軍から這い上がった選手が松坂投手の球を打ち込むというシーンもあるかもしれません。

「それは複雑ですね(笑)。でも、二軍で頑張った選手たちが軍に上がって、僕は夕食を食べながらナイターを見て『お、出てきた!』って見るのがこれからの楽しみになるでしょうね。頑張れ、打てよ、って」

―― 後藤コーチは『鬼コーチ』になるイメージはないですね。

「対話を重視したいと思っています。コミュニケーション不足もいけないので。でもダメなことはダメと言いたい。メリハリをつけたいです」

―― これからの「松坂世代」は指導者として、次の野球界の輝く星を育てていくことになるのでしょうね。

「横浜高校の前監督の渡辺(元智)さんにも同じことを言われました。今までの松坂世代はプレーヤーだったけど、これからは指導者になっていく。その世代でまた野球界を引っ張ってほしいと」

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 インタビューは横浜スタジアムから歩いてほんの数分の距離にある、いかにも個人経営の喫茶店で行なった。店をあとにする時、マスターの奥様が「後藤さんですよね?」少し涙目で尋ね、こう言った。「横浜を離れて仙台に行ってもずっと応援していますから」。横浜を愛し、横浜に愛された後藤武敏の第2の野球人生も、多くの幸(さち)が訪れることを願ってやまない。

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