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赤星憲広が阪神の弱点を指摘。
「投打を強化しても勝つことは難しい」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──センターは外野陣の要ということですね。

「センターの守備範囲は投手の配球にも関わってきますからね。ある先発投手は、以前に『センターが不安だと、外野に打たせてもいい配球ができなくなる』と言っていました。そうなると投球の幅が狭くなり、コントロールを重視するあまりに腕が思い切り振れなくなる。今の阪神はリリーフ陣が充実していますが、守備面の不安がなくなれば先発陣の成績もよくなり、リリーフ陣の負担が軽減されるという好循環ができるはずです」

──走塁に関してはいかがですか?

「これもカープから見ますと、四番の鈴木(誠也)まで足がありますし、打順の下位には野間(峻祥)、西川(龍馬)、安部(友裕)がいる、そうなると選手たちには、『繋げれば何とかなる』という意識が働きます。カープは盗塁数もリーグ1位(95個)ですが、あくまで"走塁力"が高いんです。エンドランや、内野ゴロでも常に次の塁を狙っていて、それを実現させる技術もある。

 対する下位のチームはそこが弱点になっています。リーグ5位の中日は、大島(洋平)と京田(陽太)の2人がそこそこ盗塁できて、平田(良介)も走塁のセンスがある。しかし外国人選手以降は走力が落ちます。最下位の阪神も、走力があるのは糸井、上本(博紀)、植田(海)ぐらい。低迷するチームは走塁力の差を埋めない限り、いくら投打を強化しても勝つことは難しいでしょうね」

──あらゆる阪神の課題が出てきましたが、矢野燿大新監督に期待することは?

「今年から2軍監督として指揮を執り、"超改革"を実行して12年ぶりにファーム日本一に輝きました。ウエスタン・リーグの最多記録を樹立した盗塁数(163個)に目が行きがちですが、ファーストストライクを狙う積極的な野球が結果に表れたんだと思います。

 今のタイガースは、すべてにおいて積極性に欠けています。簡単ではないでしょうが、1軍の選手たちにも"矢野イズム"を植え付けてもらいたいです。細かいところまで気を配れる監督なので、行けるところまで行ってダメでも、次の選択肢を考えて立て直すはずですから、期待して見守りたいです」

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