2018.05.09

踏み忘れ、10万号…お騒がせマレーロが
今季は30本打つと言う理由

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 市川光治(光スタジオ)●写真 photo by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)

 オリックスのクリス・マレーロは、今シーズン30本のホームランを打てる自信があると言う。

 1936年の球団創設(当時は阪急軍)以来、外国人選手がシーズン30本以上のホームランを放ったのは10人。最後に達成したのはウィーリー・モー・ペーニャで、2014年に32本を放っている。

昨年シーズン途中で入団し、20本塁打を放ったマレーロ ただ、マレーロはプロになってからの11シーズンで自己最多は23本塁打。にもかかわらず、「今年はやれる」と自信たっぷりなのだ。

「目標は30本です。できると思うんです。野球においてもっとも難しいことは、同じペースを保つことなんです。でも、昨シーズンを終え、ここで何ができるということがわかったし、その経験が今年につながると思うんです」

 決して手の届かない目標ではないと思われるかもしれないが、誰よりもマレーロ自身がホームランを打つ難しさを痛感しているのだ。マレーロとホームランの関係は、実は、かなりほろ苦いものなのである。

 もともとワシントン・ナショナルズが2006年に長距離打者として評価し、マレーロをドラフト1巡目で指名した。1年目の2007年にマイナーで23本のホームランを放つなど、早くも才能を開花させたマレーロだったが、その後、次々と不幸が襲う。

 2008年に足首を骨折し、2011年にはひざの腱の断裂。結局、2013年にナショナルズを解雇となった。その後、ボルティモア・オリオールズ、シカゴ・ホワイトソックスでプレーし、2015年8月にボストン・レッドソックスとマイナー契約を交わした。

 このとき、マレーロはまだ長距離砲として期待されており、事実、2016年には3Aながら23本塁打を放ち、インターナショナルリーグの本塁打王に輝いた。さらに、3Aのオールスターではホームランダービーに出場して優勝。試合でも活躍してMVPも獲得した。

 このようにマイナーでは確固たる実績を残したが、メジャーに上がることはなかった。

「(当時の)レッドソックスには上に空きがなかった。3Aのシーズンが終了しても、9月に昇格することができなかったので、ボストンでの未来はないなと感じていました」