松坂大輔を見て思い出す、プロ野球
「記憶に残る復活投手」ランキング (3ページ目)
8位 石井一久(ヤクルト、ドジャース、西武など)
【ケガの内容:左肩関節の損傷】
【復帰後の主な成績:NPB13年300登板、119勝88敗 MLB4年39勝34敗】
【獲得タイトル:1998年、2000年・最多奪三振 2000年・最優秀防御率】
若くして積極的に手術を行なった新世代左腕
1980年代までの野球界では、「手術は最終手段」という考え方が一般的だったが、1990年代になると、早い段階から積極的に手術を選択する新世代の選手が出現しはじめた。石井一久がその"はしりの投手"だろう。
150キロを超える速球左腕として徐々に頭角を現し、プロ入り4年目の1995年には、23歳にして13勝を挙げる。しかし、そのシーズンから左肩の痛みに苦しみ、翌1996年はわずか8登板で1勝に終わった。
すると石井は、「悪いところがあるなら早く治してすっきりしたほうがいい」と、あっさり手術を決断してその年のオフに渡米。1997年6月に復帰すると、同年9月にはノーヒットノーランを達成するなど、手術明けのシーズンで10勝を記録したのだ。
石井が完全復活した背景には、ヤクルトと交流のあったメジャー球団・インディアンズとつながりのある医療機関で手術、リハビリをしたことが大きく影響しているという。そのノウハウの恩恵を存分に受けたことで、周囲が「手術前よりも球威が増した」と驚きの声を上げるほどに復調した。
ヤクルトのエースとして活躍した後、2002年からはメジャーリーグも経験。1年目で打球を頭に受けて頭蓋骨を骨折するなどケガに苦しむことも多かったが、その都度しっかりとケアをしてマウンドに帰ってきた。2006年に日本球界に復帰し、2013年に西武で22年間にわたる現役生活の幕を閉じた。
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