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崖っぷちの選手を救い、4700万円を
もたらした1本のホームラン (4ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

──実況をしているアナウンサーの興奮ぶりがすごい。

米野 動画で見てもらったらわかるんですけど、文化放送の斉藤一美アナウンサーが感極まって、号泣しているような感じでした。斉藤さんのおかげで、今も再生回数が上がっているみたいです。

──2016年には北海道日本ハムファイターズでプレーし、そのシーズン限りで現役を引退しましたね。

米野 2015年にライオンズを戦力外になったとき、僕は「まだできる」と思っていて、そのときにファイターズからオファーをいただいたんですが、選手兼コーチ補佐でという条件でした。

 キャッチャーでプロに入ってきたから、最後にもう一度キャッチャーで勝負したかった。もう一度昔のポジションに戻って手応えがなければやめようと考えていました。でも、その手応えが全然なかったので、ユニフォームを脱ぐことに決めました。2016年のシーズン後に球団から「もう1年」とは言っていただいたんですが......。

 現役時代から食と健康に興味があったので、現在は東京・下北沢で、「inning+(イニングプラス)」というカフェレストランを経営しています。話題のギーやグルテンフリーで作ったナチュラルで体に優しいヘルシーメニューを提供させていただいています。スワローズやライオンズで一緒にプレーした仲間もよく遊びに来てくれますよ。

米野智人(よねの ともひと)

1982年、北海道生まれ。北照高校から1999年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。強肩の捕手として「ポスト古田」と期待を集めた。2001年に一軍初昇格、2002年に初安打、初めてのサヨナラ安打を記録した。古田敦也が選手兼監督になった2006年に自己最多の116試合に出場し、7本塁打を放っている。2010年シーズン途中に埼玉西武ライオンズに移籍。2012年から外野手に転向した。2016年に北海道日本ハムファイターズで選手兼コーチ補佐としてプレーしたのち、引退。現在は東京・下北沢でカフェレストラン「inning+(イニングプラス)」を経営している。

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