2018.03.07

今季のDeNA今永昇太は
「120球以内で完投」の準備ができている

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

横浜DeNAベイスターズ・今永昇太インタビュー(後編)

インタビュー前編はこちら>>

 ベイスターズの今永昇太は今年の1月、スポーツトレーナーの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)さんが福岡の八女(やめ)を拠点に行なっているトレーニング合宿に参加していた。その期間中、一緒に練習していたホークスの石川柊太(しゅうた)にこう訊ねた。

「石川さん、あのパワーカーブ、どうやって投げるんですか」

今年1月の自主トレでホークスの石川柊太からパワーカーブを教わった今永昇太 今永は、この合宿の前から石川が来ることを聞いていて、このオフに取り組んでいた速いカーブの投げ方について、石川の話を聞きたいと考えていた。石川は、バッターに向かいながら急激に曲がり落ちるパワーカーブを武器に去年、中継ぎとして、先発として、一軍で勝ち星を積み重ねている。そんな石川は、今永の問いにこう答えたのだという。

「オレは横の時間を意識してるよ」

 横の時間とは、つまり、足を上げてから体重移動して、ボールを投げるためにバッターに正対する、その直前までの、右ピッチャーなら三塁側に、左ピッチャーなら一塁側に体の正面を向けている時間のことだ。今永は驚いた。

「僕はてっきり腕の振りとかリリースとか、そういうことを意識しているのかと思っていたんです。でも、石川さんは『パワーカーブを投げるときには横の時間を長く取って、最後の最後でパッと回るようにしてるよ』という表現を使った。正直、ビックリしました。でも、その瞬間、ピンとくる感じもあったんです。

 僕が解釈したのは、パワーカーブを腕で投げようとすると、腕の力って限界があるのでうまく力が伝わらないんだ、ということ。そうじゃなくて、横の時間を長く取ることで体の力を使いながら、腕で投げるんじゃなくて体で投げるイメージを持つ。ギリギリまで開かないように、腕は後からついてくる感覚で、最後の最後にパッと回る。

 そのとき、腕は何も力んでない状態を作る......そうやって投げられれば、バッターは『いつ投げてくるんだろう』って感覚になると思いますし、タイミングも合わせにくくなるはずなんです」