2018.03.11

神奈川の「世代最強選手」が、
高卒プロ入り4年目でレギュラー奪取へ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 プロ入団4年目、オリックスの宗佑磨(むね・ゆうま)がいよいよ本格化し始めた。3月3日のDeNAとのオープン戦で「1番・センター」で出場すると、初回にバリオスから先頭打者本塁打。翌日も初回に、今度は快足を飛ばして先頭打者ランニング本塁打を記録。さらに3月9日の巨人戦でも野上亮磨から特大の一発を放った。福良淳一監督からも「1番として長打もあって、相手は嫌じゃないですか」と大きな期待を寄せられている。

キャンプ中にショートから外野手にコンバートされたオリックスの宗佑磨 昨年、ウエスタンリーグで宗のプレーを見た。9月中旬、阪神との試合だった。この試合で宗は5番を打ち、一軍経験豊富な左腕・岩貞祐太、期待の本格派右腕の才木浩人から3安打を放ってみせた。

 とにかく、走攻守においてスピードがハンパない。外野の間を抜ければ迷わず三塁を陥れるし、多少詰まった当たりでもヒットにしてしまう。

 昨年ファームで104試合に出場して、シーズン107安打を放ち、打率.279はベストテン6位。まだまだ課題も多いが、ようやくひとつの壁を乗り越えたなと思った。

 宗は中学時代、学校の軟式野球部に所属していた。それほど追い込んだ練習もしないままに野球強豪校の横浜隼人に進学。熾烈な練習に体が追いついていかず、ヒザや腰のケガを何度か繰り返していた。横浜隼人の水谷哲也監督はいつもそこだけを気にかけていた。

「野球に対する感性と身体能力についてはまったく心配していません。桐光学園時代の松井裕樹(現・楽天)のストレートとスライダーの両方をヒットにしたのは、神奈川では宗だけですから。心配なのはケガだけでした」

 そして昨年、大きなケガもなくファームながら1年間をまっとうした。終盤の9月には一軍に上がり、プロ初安打も記録。ようやく才能が開花し始めた。

 だが、宗の守っていたショートのポジションは堅実無比な安達了一を筆頭にライバルがひしめき合っている。いくらファームで好成績を残したとしても、すぐに抜擢されるほどプロの世界は甘くない。チーム関係者は次のように語っていた。