「打球の角度」は松井秀喜を超えた。名コーチも唸る清宮幸太郎の弾道 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 とはいえ、清宮が傑出したホームランアーチストの金の卵だということは間違いない。その証拠に、彼は「ここだけは飛ばせる」というコースを持っている。真ん中からややアウトコース寄りなのだが、このコースにくれば高い確率でモノにできる。ドラフト上位で指名される打者というのはそうした"得意コース"を持っているものだが、それにしても清宮の飛距離はハンパない。

 その飛距離を生んでいるのは決してパワーだけではないところにも注目している。実は、私が清宮のバッティングで一番非凡さを感じているのが打球の角度なのだ。振り上げてあの角度をつくっているのではなく、普通にスイングしてあの打球を打てるのだから、才能というしかない。
 
 高卒でプロ入りした左のスラッガーといえば松井秀喜を思い出すが、1年目の彼は清宮のようないい角度で打てていなかった。それだけでも清宮は松井以上の逸材だといっていいだろう。

 そんな稀代のホームラン打者をいかにして育てていくのか。彼の努力と自覚はもちろんだが、同時に首脳陣の"育成力"という点でも、注目してみたいと思う。

(つづく)

◆山本昌は日本ハムドラフト7位・宮台康平をどのように評価していたか

◆しくじりスラッガー古木克明が清宮幸太郎に贈る「成功へのアドバイス」

◆山﨑武司は高校時代の清宮幸太郎をどう評価していたか

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