しくじりスラッガー古木克明が
清宮幸太郎に贈る「成功へのアドバイス」
豊田大谷で高校通算52本塁打を記録し、「松坂世代ナンバーワンスラッガー」として1998年に横浜(現・DeNA)からドラフト1位指名を受けた古木克明氏。プロでは3年目の秋に突如としてホームランを打ちまくり、翌2003年も低打率ながら22本塁打を量産した。だが、覚醒したかと思われたのもつかの間、重度の守備難もあって、その後は成績が失速し低迷する。
打球を飛ばす天性の素質と、あの"一瞬の輝き"が忘れられないファンは、「本当の古木はこんなもんじゃない」「いつか復活してホームラン王になるはず」と信じて待ち続けたが、その"いつか"はついに来なかった。結局、オリックスへの移籍でも花開くことはなく、通算58本塁打と、本来の実力を発揮できないまま2009年にユニフォームを脱いだ。
その古木氏が、高卒ドラフト1位の強打者という同じ境遇でプロ入りした日本ハムの清宮幸太郎に、自身の経験を踏まえてエールを贈る。
高校通算52本塁打を放つなど、「松坂世代」屈指のスラッガーとして注目を集めていた古木克明氏
実は、清宮幸太郎くんとはちょっとした縁があるんです。彼が小学生の頃、当時、僕がお世話になっていたスポーツクラブに彼も通っていて、そこで挨拶をした記憶があります。
当時からリトルリーグで活躍していて、世界大会でも優勝し、"和製ベーブ・ルース"とアメリカでも注目を浴びたことは知っていました。高校(早稲田実業)でも111本のホームラン記録を作ったくらいですから、「とんでもない素質があるんだな」と。昨年のドラフト会議で7球団から指名を受けたのも納得できます。
清宮くんのバッティングを見た印象としては、やっぱりスイングスピードが速い。体重移動があまりスムーズじゃないという点は多少気になりますが、それを差し引いても、今すぐに一軍クラスのピッチャーでもヒットを打てると思います。木製バットの扱いに慣れてくれば、自然とホームランも増えてくるんじゃないですか。
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