しくじりスラッガー古木克明が清宮幸太郎に贈る「成功へのアドバイス」 (3ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • スポルティーバ●写真 photo by Sportiva

 自分にとって確固たるフォームがあるのなら、そこをベースに「グリップを2センチ上げよう」とか微調整でいいんです。調子が悪ければフォームを極端に変えるのではなく、相手バッテリーの配球を研究して対策を立てたり......。考え方ひとつでだいぶ変わってくると思います。

プロで結果を残す選手はそういう部分にも目を向けているはず。僕は相手ピッチャーの名前も覚えないような選手だったので......(苦笑)。結果が出ないのは当然だったのかもしれません。

 注目される選手が結果を出せないとなると、周りの声が耳に入ってくるし、いろんな人たちが助言をしてきます。清宮くんは小さい時から大勢の方たちに言われてきていると思いますが、プロに入れば明らかに増えます。そこで、「この人は何を伝えようとしているのか?」と自分でしっかりとかみ砕いて理解することができるか。そこが大切になります。

 僕自身もそういう経験があります。

 2002年に9本のホームランを打って、徐々に注目されるようになったことで、翌年から少しでも打てなくなると、多くの方たちがアドバイスをしてくるようになりました。それまでは二軍暮らしのほうが長く、信頼できるコーチとしっかり練習できたので迷いはありませんでしたが、一軍ではそういった余裕がありませんでした。

 聞いた話だと、ジャイアンツ時代の松井秀喜さんは、「自分で理解しないうちは、人から意見を言われても実践しなかった」そうです。今さらながら「確かにそうだな」と(苦笑)。野球を理解して、頭のなかで整理する習慣がつけば、絶対に自分を助けてくれる。もしかしたらすでにわかっているかもしれませんが、早くそこに気づいてほしいですね。

 とはいえ、現段階でそこまで意識しなくてもいいと思います。まずはプロの真っすぐと変化球に慣れること。相手だって研究してくるでしょうから、そうなったときに「こうやって対応しよう」と取り組んでいけば、1年目からでも結果を残せると思います。6月あたりから一軍に定着するようになれば、2ケタ本塁打も期待できるのではないでしょうか。

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