「何が足りなかったか」トライアウトに
現れた元ドラ1たちのプロ人生 (3ページ目)
トライアウトで4者連続三振を奪った柿田裕太 松本工(長野)高時代に甲子園出場を果たすも、高校卒業時点でのドラフトは指名漏れ。進んだ日本生命で才能を大きく開花させ、2013年、3球団競合のすえDeNAにドラフト1位でのプロ入りを叶えた柿田裕太。
下半身の柔軟性を感じさせる、足を高々と上げるフォームから「ハマのライアン」の愛称でファンからも歓迎された。1位指名を受けた当時の心境を次のように振り返る。
「チームメイトだった小林(誠司、現・巨人)さんが1位に決まった後で、『自分も1位!? オレでいいの?』という感じでした」
ルーキーイヤーの2014年はフレッシュオールスターにも出場。最終的にイースタンで7勝を挙げ、近い将来の一軍デビューを予感させた。だが、そこから大きく伸び悩んだ。
「いろいろ考えるうちに、どんどん自信がなくなってきて。それに伴って腕も振れなくなって......」
今季はファームでの登板もわずか5試合にとどまり、「覚悟していた」という戦力外通告を受けた。
「(プロで過ごした)4年間で自分の実力を思い知らされた面があったので、受けるかどうか迷った」
だが、トライアウトでは4者連続三振の快投を披露。終了後、晴れやかな表情でこう振り返った。
「一軍が使う球場、マウンドで投げたい気持ちも強くあった。お客さんもたくさん入っていましたし、気持ちよかったです」
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