ドラフトで本指名6人。独立リーグ→
プロ野球を急増させた「直接対決」 (4ページ目)
今年ロッテは、ドラフトで高校時代は陸上部だったという異色の外野手、BCリーグ・富山GRNサンダーバーズの和田康士朗を育成ドラフト1位で指名した。山森は、直接の担当ではなかったが、和田の印象についてこう語る。
「とにかくバットをしっかり振れていました。フォロースルーも大きいですし。野球経験は少ないかもしれないけど、球団と担当者のなかで『育てることができる』と判断したのだと思います。19歳でしょ。まだまだ伸びしろはありますから」
BCリーグでは、来シーズンから"定年制"を導入するという。オーバーエイジ枠を各チーム5とし、26歳の年齢制限を設けることで「NPBという夢に区切りをつけさせる」というのだ。
山森スカウトは「指名するにあたり、年齢は絶対条件ではない。各球団の事情にもよるが、使えると判断すれば20代後半の選手だって獲得する」と言うが、"伸びしろ"を考えると、今回の措置は現実的なものと言えるだろう。
リーグとしては、経験豊富だけど、もう先の見込めない"ベテラン"がポジションに居座っている状況を打破し、より若い選手に出場機会を与えたいという意図がある。その一方で、主力に引導を渡すことでプレーのレベルが低下するのではないかという懸念もある。それでも端保は、「育成という原点に戻るもの」と前向きにとらえている。
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