2017.10.20

打たれても勝てます。楽天ベンチが
CSで実践する巧妙な「内川対策」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 連敗を喫したホークスには、柳田悠岐がいなかった。

 9月20日のファイターズ戦で右の脇腹を痛めたからだ。当初の診断通り、全治3週間ならクライマックスシリーズ(CS)には間に合うはずだったのだが、CS開幕の3日前に試みたティーバッティングでは、数球打っただけで無理だと判断せざるを得ない状況だった。今もなお、バットを振れる状態にはなく、全力で走ることもできていない。

 しかし、内川聖一は戻ってきた。

CSファイナルステージで2試合連続本塁打を放つなど好調の内川聖一 7月23日のマリーンズ戦で左手の親指を骨折。9月30日に復帰するまで、50試合に欠場した。優勝の瞬間もグラウンドには立てず、悔しく、もどかしい思いを味わったホークスの主将は、わずか4試合ではあったがシーズンの最後でスタメンに復帰。そのすべての試合でヒットを放った。イーグルスが勝ち上がってきたファイナルステージ、シーズンの分の恩返しがしたいと、2年ぶりの日本一を目指して、内川は4番に座った。

 その存在感は、やはり際立っている。

 開幕前のセレモニーでは先頭に立って入場し、試合ではマウンドへ足を運んでは、ピッチャーの尻を叩いて鼓舞する。ミスをしたチームメイトには大丈夫だからと手を上げ、声を張り上げて励ましていた。まさかの連敗を喫したホークスにあって、内川はバットでも2試合連続でホームランを放ち、8打数4安打の打率5割と、文句のつけようがない数字を叩き出している。

 しかしイーグルスにとっては、この結果は織り込み済みでもあった。