CS進出へ「ここからが勝負」と語る山﨑康晃は、昨年とは別人のよう (4ページ目)
メンタルとコンディショニングの向上はもちろん、成長の一環として山﨑はテクニカルな部分でもスキルアップを試みている。
今シーズンから山﨑はスライダーを投げているが、ここにきてその球質に変化が表れている。シーズン当初は曲がりの大きな普通のスライダー。クローザーに戻った地点で一度スライダーを封印していたが、ここ最近は試合で1球投げるか投げないかのわずかな回数ながら、曲がりが小さく鋭い、以前とは明らかに異なるスライダーを投げている。
山﨑は頷きながら、次のように語った。
「シーズン当初とは軌道も投げている感覚も全然違うスライダーで、カッターのようなイメージで投げています。曲げすぎてしまうと制球が定まらないので、ストレートの握りでしっかりとグリップして、指先というよりも体でコントロールしている感じです」
球速は130キロ後半から140キロで、ツーシームとほぼ同じ。完全にモノにできれば、大きな武器になることは間違いない。
「以前はスライダーを打たれたらどうしようといった苦手意識があったんですけど、自分が進化していくためには越えなければいけない壁でした。今は手応えを感じているし、苦手といった意識はもうありません。まだ精度に不安はありますが、武器として完全にモノにできれば、今やっていることの先にいけると思うので、そこを目指して頑張りたい」
前向きで、常に建設的。だが、そのポジティヴな風情には、塗炭の苦しみを甘受し、突き抜けた人間しか身につけることのできない凛々しさが見てとれた。
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