もうガムは嚙まない。DeNA梶谷隆幸が自身を語るロングインタビュー

  • 村瀬秀信●取材・文 text by Murase Hidenobu
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

 4月28日、広島戦の初回、横浜DeNAベイスターズ梶谷隆幸はライトスタンドの最上段に、その時点でセ・リーグ最多となる5本目の本塁打を放った。

「もうあとちょっとで筒香に抜かれますんで。そこは僕の仕事じゃないので、ゴウに任せます」

 お立ち台での梶谷の姿からは、チームの主力としての貫禄すら漂うようになった。

大人になった梶谷隆幸がベイスターズを引っ張る大人になった梶谷隆幸がベイスターズを引っ張る 今シーズン、梶谷の雰囲気が違うと感じる。

 開幕から2番、現在は3番に入り、打率こそやや物足りないが好調を維持。本来の調子ではなかった筒香嘉智の分までホセ・ロペスと共に打線を引っ張っているが、今季の"違い"は調子の良し悪しという類(たぐい)のものではない。

 感覚的な説明でしかないのが申し訳ないのだが、今シーズンの梶谷は実に楽しそうに野球をするのだ。その変化は沖縄キャンプから見て取れた。梶谷の熱烈なファンに練習中の写真を見せてもらったのだが、そこに映る梶谷の表情は、打球を追い掛けているときですら微笑みがこぼれている。どちらかといえば黙々と野球をやる印象があった梶谷に何があったのか。その心の内を聞いてみたくなった。

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