もうガムは嚙まない。DeNA梶谷隆幸が自身を語るロングインタビュー (2ページ目)

  • 村瀬秀信●取材・文 text by Murase Hidenobu
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

「自分では何も変わってないと思うんですけどね。ただ、周りからは顔つきが変わったねとか、言うことが大人になったなんてことをちょくちょく言われます。まぁ、年を取ったってことですかね。体の方も昔はぶっ通しで12時間ぐらい寝れていたのが2~3回は目が覚めますし(笑)。精神的な面でも......まぁ、なかなか人には経験できない、いろんな経験をさせてもらいましたからね。変わってきたものはあると思いますよ」

 昨年、CSに初めて出場した横浜DeNAベイスターズ。その中心には豪打をふるう4番・筒香の姿と、攻走守にわたり存在感を発揮する梶谷の姿があった。

 2012年──。「梶・筒」の2枚看板はベイスターズの希望だった。余りある才能を持ちながら、あと一歩突き抜けることができなかった2人。5年の月日を経て、筒香は今やチームだけでなく、日本一の4番打者に成長した。一方の梶谷は低迷する時期もあったが、2013年8月に突如として覚醒。来る球すべてライトスタンドに放り込むような鬼神の如き打撃は、シーズン終了までの51試合で打率360、16本塁打を記録し、小久保裕紀監督初陣の日本代表にも選出されて、一躍ベイスターズの主力となった。

 しかし、その年以降、梶谷は「トリプルスリーに最も近い男」と言われながら殻を破り切れず、好調時は手のつけられない状態になるものの、1年トータルでの結果を見れば、思い描いたような姿にはなれていない。

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