もうガムは嚙まない。DeNA梶谷隆幸が自身を語るロングインタビュー (3ページ目)
「そうですね。期待をしてもらいながら、ここ数年、終わってみれば毎年2割7分、15本ぐらいの同じような成績しか残せていない。一時は2013年の好調時の姿を追い求めていた時期もありましたけど、今はもう『あれは別人だった』と割り切れてはいるんです。だけど、なんというんでしょうね......このままでは、終わりたくないんです。ゴウはすごい選手になりました。彼はスーパースターですよ。人間的にも素晴らしいですしね。
一方で野球人としてやっぱり悔しいという気持ちはあるし、彼に追いつきたいという思いも強く持っています。だからアドバイスももらうし、年齢とかプライドとか関係ないですよ。良いものは得たいんです。僕は何かを変えなきゃいけない。20代最後になる今年、ひと皮剥けないと、後ろにいい選手がいっぱい控えているじゃないですか。30歳を過ぎてからも主力で活躍できる選手になるのか。それともこのまま消えていくのか。僕にとって今年は境目の年になるのだろうなと思っています」
2012年に就任した中畑清前監督は、まだ無名の若手だった梶谷にひと目惚れし、「すべての才能が開花すれば誰も勝てない選手になる」と根気強く試合に使った。後を継いだアレックス・ラミレス監督は、今シーズンも「梶谷がこのチームのキーマンだ」と言い切る。昨年は梶谷がケガから復帰した5月以降にチームは調子を上げCSに進出した。今やチームになくてはならない存在である。だが、走攻守、そのすべてにおいて、梶谷はまだ本来の力を見せきってはいない。
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