人生かかってます。WBCオーストラリアの「就活選手」に気をつけろ (2ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Getty Images

 現在はロッテ・ジャイアンツ(韓国)の投手コーチとなり、一線は退いているが、この冬は手薄なナショナルチームの投手陣の穴を埋めるべく、WBCに備えて、自国のウインターリーグに4年ぶりに復帰した。ただ、古巣であるシドニー・ブルーソックスでは4度の先発機会にも勝ち星を挙げることはできず、防御率も8.05に終わった。

 自身3度目となる今大会は、現在のところ予備選手としての登録で、実際に登板する可能性は低いが、チーム事情によってマウンドに上がることも考えられる。

 今大会、どこの国もメジャーの一線級が次々に辞退し、投手のやりくりに困っている。それはオーストラリアも同様だ。そんな中、投手陣の柱として期待されているのが、元楽天のトラビス・ブラックリーだ。

 日本では2014年シーズンに3度だけ先発して1勝2敗に終わったため、ピッチングよりも腕一面を覆っているタトゥーの方が印象に残っているかもしれない。ただ、ブラックリーはメジャーのマウンドも経験しており、計4シーズンで9勝を記録している。昨シーズンはメキシカンリーグのプエブラ・ペリーコスでローテーション投手として8勝を挙げ、リーグ優勝に貢献。今シーズンはデトロイト・タイガースとマイナー契約を結んでおり、WBCを踏み台に虎視眈々とメジャー昇格を狙っている。

 また、オーストラリアには日本の独立リーグからステップアップしてNPBに活躍の場を移す者もいた。今大会、ロースターに名を連ねているミッチ・デニングもそのひとりだ。

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