ヤクルト二軍若手は
突然の「一軍練習見学」で何を学んだのか?
7月8日、神宮球場。その日、ヤクルトの試合前練習の風景は、いつもと少し違っていた。4人の二軍選手が一軍の練習を見学していたからだ。まだ公式戦で 一軍経験のない4人は、山田哲人のフリーバッティングを食い入るように見つめ、川端慎吾の身振り手振りのアドバイスに熱心に耳を傾け、バレンティンの豪快 な一発に無邪気な笑顔を見せていた。その様子は、まるで小学生の頃の"社会科見学"のようだった。
一軍の練習見学をした(左から)山川晃司、山崎晃大朗、高橋奎二、廣岡大志の4人 この日は11時から二軍戦、18時から一軍戦という「親子ゲーム」が組まれており、水野祐希二軍マネージャーは「一軍の試合を観戦することは決まっていたのですが、練習見学は予定していませんでした」と言った。
「ところが、二軍の試合がかなり早く終了したことで、『おっ、それなら山田が練習で打つのを見ることができるな』と。そこで一軍にお願いして、実現したのです」(水野マネージャー)
練習見学したのは、プロ2年目の山川晃司(捕手)と、新人の山崎晃大朗(外野手)、廣岡大志(内野手)、高橋奎二(投手)の4人。杉村繁チーフ打撃コーチは、この日の出来事についてこう話してくれた。
「山田や川端といった球界トップクラスの選手の練習を1時間程度とはいえ見ることができた。いい選手を見て、真似をするのもひとつの手段です。貴重な経験だったと思いますよ。二軍の選手が一軍の練習を見学するなんて、まずないことだからね」
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