2016.07.25

カープの戦友たちが語る
「日米通算200勝」黒田博樹のすごさ

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 黒田博樹は、日本のみならず7年間を過ごしたアメリカでも5年連続2ケタ勝利を達成するなど順調に白星を積み上げ、7月23日、ついに野茂英雄以来の史上2人目となる日米通算200勝を達成した。

「黒田はすごい」――そんなこと、誰もがわかり切っていることだ。ただ、黒田という投手の評価は、残してきた数字だけで判断することはできない。いったい、「黒田のすごさ」とは何なのか? 入団時からの黒田を知る者に聞いてみた。

史上2人目となる日米通算200勝を達成した黒田博樹 黒田の先輩であり、入団当時、広島のエースだった佐々岡真司二軍投手コーチの答えは「気持ち」だった。

「入ってきた頃は、完成された投手というよりも、これからさらに成長する投手だと感じていました」

 まだ成長過程にあった体力と技術力を向上させたのが、強い気持ちだというのだ。

「春季キャンプで、オレが300球の投げ込みをしたら、翌日、黒田はその球数以上の投げ込みをしていた」

 エースに追いつき、追い越そうとする思いが、先輩を上回る数の投げ込みに駆り立てたのだろうか。黒田は、入団5年目の2001年に初めて2ケタ勝利を挙げた。同年オフには、佐々岡に「今年はアイツが主役」と認められるまでの存在となった。

 佐々岡コーチと同じように「心」と言ったのは、入団時にブルペン捕手として黒田の素顔を知る水本勝己二軍監督だ。球場だけでなく、一緒に何度も食事に出かけるほどの間柄。水本は言う。

「アイツとは野球の話しかしていないかもしれない。どうしたら勝てる投球ができるのか。常に野球のことばかり考えていました」