貧打のDeNA。ラミレス流「ファーストストライク狙い」は吉か凶か

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 横浜DeNAベイスターズが最下位から抜け出せない。低迷の理由は、打線の不振に尽きる。チーム打率.223はセ・リーグで断トツの最下位(4月25日現在)。倉本寿彦が打率.320と気を吐いているが、3割打者は倉本ただひとり。それでもラミレス監督は前向きにこう語る。

「ここまでは先発投手陣がよくやってくれているので、なかなか勝てませんが悪いゲームはしていません。チーム打率.260までいける能力はあるので、打線が機能すれば連勝できると思っています。あと一歩というところです」

ここまでチームトップの7本塁打をマークしている筒香嘉智ここまでチームトップの7本塁打をマークしている筒香嘉智

 そして打線の上昇には、ラミレス監督が掲げる「ファーストストライクを打つ」というバッティングプランが実るかどうかにかかっている。

 4月9日、ヤクルト戦(横浜)の試合前、ラミレス監督は「チームとしてファーストストライクから打っていく。この考えに変わりはありません」と記者たちに答えた。このとき、チームは5連敗中。打順の変更や選手の入れ替えはあっても、「ファーストストライクを打ちにいく」という考えは変えないと、あらためて強調した。

「いい投手を前にして、ポンポンとストライクを取られると、あとがなくなってしまいます。打てる可能性が最も高いのはファーストストライクなのです。私は現役時代、スランプのときでもファーストストライクを積極的に打っていきました。監督となってもその考えを信じています」

 ラミレス監督の言葉は、自分に言い聞かせるのではなく、「自分の打撃論を強く信じている」という感じだった。

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