松井秀喜が「青空教室」でジャイアンツに授けた世界王者の打撃論 (2ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 選手たちには好評で、坂本は「いいことを聞きました」と言い、片岡は「下半身の使い方を教えてもらいました。ボールを長く見ることがバッティングでは大事だという話をしてもらった」と感謝した。

 初日はあいにくの雨で室内での練習だったが、フリー打撃中はゲージ裏で高橋監督と並んで観覧。選手ひとりひとりに対して感じたことなど意見を交わし、昔話にも花が咲いたという。

 珍しい光景が見られたのは2日目だった。フリー打撃前に選手たちは円陣を組み、その中心で松井氏がバットを持ち、スイングを見せながら重要ポイントをレクチャーした。プロではなかなか見られない全選手揃っての"青空教室"だった。

「経験してきたなかで、バッティングで大事だと思うこと、素晴らしいバッターに共通していたことを話しました」

 教え方にも世界を相手に戦ってきたキャリアが生きてくる。軸足にしっかり体重を残すこと、テイクバックの取り方、構えたときのトップのつくり方など、ヤンキース時代のチームメイト、アレックス・ロドリゲスらを引き合いに出し、要点を伝えていった。

 このキャンプで松井氏の理論と同じく、重心を右足(軸足)に残すことを意識している村田修一は、「(青空教室は)新鮮でした。今やっていることは間違っていないと再認識することができた」と手応えを口にした。

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