松井秀喜が「青空教室」でジャイアンツに授けた世界王者の打撃論
松井秀喜氏が、2日間の視察に終わった昨年も含め、3年連続で巨人のキャンプを訪問。臨時コーチとして2月14日まで後輩たちの指導を行なった。一昨年は外野ノックを打ち、周囲の勧めでフリー打撃を実演するなど、動きが"派手"だったが、今回はパフォーマンス的な要素は少なく、選手たちの動きをじっくり見守り、積極的に助言を送るなど、コーチとしての仕事に徹した。
今回のキャンプでは積極的に指導を行なった松井秀喜氏
今回の臨時コーチは、松井氏が巨人時代に一緒にチームを引っ張り、お互いの力を認め合っていた高橋由伸監督の要望もあって実現した。高橋監督は言う。
「この世界は何かのきっかけでガラリと変わる選手がいる。そのきっかけを松井さんが与えてくれるかもしれない」
日米での豊富な実績、経験に基づく指導が、打撃強化を掲げるチームの底上げにつながると期待した。
松井氏は1月31日に宮崎入りし、早速、全体ミーティングに参加。あいさつの場を設けられると、次のように語った。
「技術的な部分、精神的な部分、そして投手に対する対策など、いろいろと私の経験をみなさんに伝えていけたらいいと思います」
その言葉通り、キャンプ初日から休む間もなく動いた。主将の坂本勇人や片岡治大らに身ぶり手ぶりを交えながら個人指導を行なったかと思えば、二軍にも足を運んで若手たちにアドバイス。
「僕の話がすべて正しいとは限らない。あくまで自分のいいと思うものを教えます。選手がどう受け止めて、どう成長につなげていくか」と言うように、無理強いすることはなく、ひとつの理論として選手に提供するスタンスだ。
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