阪神・岩田稔、いらん子扱いから「アイツやりよる」と思わせたい (2ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 真っすぐを強くできたからこそ、変化球が生きた?

「変化球はもともとそれなりに投げられるので、第3クールに入ったくらいから球種を増やしてブルペンで投げていこうと決めていました。だから予定通りですね。第2クールのピッチングはやっぱりひどかったですけど。疲れをためて、ためて、やっていたので」

―― それも計算通り?

「僕の中では計算していましたけど、やっぱりうまいこといかない投球が続くと、イライラしますよね」

―― 自主トレでは「お尻周りの筋肉を重点的に鍛えること」がテーマだと話していました。09年に当時ソフトバンクだった杉内俊哉投手(現・巨人)と一緒に自主トレをしてから、ずっとそこを意識していますよね?

「そこがしっかりしてないと、地面からの力をもらって、うまいこと指先に伝えることができないんです」

―― 杉内投手からはそのイメージを言葉で伝えてもらったのですか?

「杉内さんはボールを指先で弾いて投げるので、そこにどう持っていくか、みたいなことを言っていたんですけど、僕はそこからもうひとつ押し込むイメージですね。それはベースがしっかりしていないとできないことですし、小手先だけでやったらケガをします」

―― 継続的に鍛えることで、地面からの力をうまく指先に伝えられるようになった感覚はありますか。

「うまくいきだしてきたかな、というところですね。もともと球速が出るタイプのピッチャーではないんで、球速が出ないなかでどう勝負していくか。そこで球の重さであったり、そういうのがバッターに伝わって、結果としてゴロになったり、フライを打ち上げてくれたらと思っています。ちょっとの差し込みができるかとか、そういう感じですかね」

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