2016.02.22

ジャイアンツ最年長・鈴木尚広が語る「切り札の誇りとチーム愛」

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 野球というひとつの競技だけにとらわれず、もっと大きなくくりでアスリートとして自らと向き合い、能力を高めようとしている。普段の練習や言動を見て、そう感じていた。それを本人にぶつけてみると、「なにか野球とはかけ離れた人間かもしれないですけど」と前置きし、こう答えた。

「突き詰めてやるのは、陸上選手に近いと思います。コンマ何秒の世界のためにいろんなことをして、節制をして、なんとか縮めようとする感覚です」

 そう語るのは、球界を代表する足のスペシャリストとして誰からも認められている巨人鈴木尚広だ。陸上選手のように引き締まった肉体と俊敏な動きは、4月で38歳を迎えるとは思えない若々しさがある。まさに鍛錬のたまものだ。

原辰徳前監督も「唯一無二の存在」と鈴木尚広に絶大な信頼を寄せている

 鈴木に年齢のことを尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「誰でも歳をとります。同じ37歳だって、人それぞれ違うわけで......。僕は、全然(若い頃と)変わらないですし、変わらないでやっている。歳って、それを聞いただけでちょっと弱気になったりするじゃないですか。そこにはとらわれないようにしています」

 そう言えるのも、これまでのトレーニングの積み重ねを生かし、高い身体能力を維持しているからだろう。決して先天的な能力だけではない。変わらず努力を続け、しかも細部にまで目を配ってきたからこそ、今がある。