10年目のレギュラー獲りへ、中日・堂上直倫は、ついに目覚めるか
中日がキャンプを張る北谷運動公園野球場の外窓に、中日の開幕3連戦(広島・ナゴヤドーム)のポスターが貼られていた。
監督の谷繁元信を中心に、チームの代表的な選手と期待の若手選手が並ぶビジュアル。登場している選手は、平田良介、大島洋平、大野雄大、若松駿太、高橋周平、鈴木翔太、小笠原慎之介。そしてそこへ、社会人・東京ガスから入団して2年目を迎える遊撃手・遠藤一星が加わっていた。
昨年から兄・剛裕(現・巨人)がつけていた「63」を背負っている堂上直倫
もちろん、ポスターに写真が入っているからといって、レギュラーを約束されたわけではない。ただ、昨季41試合の出場ながら見栄えのする守備力があり、打撃面でも打率.271、4本塁打と結果を残した遠藤が、レギュラーに近い位置にいることは間違いない。
そんな遠藤は駒場学園高3年時、2006年の高校生ドラフト直前にプロ志望届を提出しながら、指名漏れの憂き目にあっている。そのドラフト会議で中日、巨人、阪神のセ・リーグ人気3球団から1位指名を受けたのが、今やチームメイトとなっている堂上直倫だった。
地元・愛工大名電で高校通算55本塁打を放った右のスラッガー。父・照(てらし)氏は中日の投手として活躍し、兄・剛裕(現・巨人)も中日に在籍したサラブレッド。さらに中学時代にはファン感謝デーで福留孝介(現・阪神)からナゴヤドームのレフトスタンドに放り込んだという伝説まである。
「尾張のプリンス」と呼ばれ、ファンが夢を抱く要素に事欠かない、未来のスター候補――。だが、堂上の外れ1位として巨人に入団した坂本勇人が今や巨人の顔になっているのに対して、堂上はここまで一軍で結果を残すことができていない。
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