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「マシになりました」と笑顔。楽天・安樂智大の剛腕復活が近い! (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 安樂のボールにキレが戻ってきたのでは? そう問いかけると、与田コーチは「そう見えました? あー、じゃあ良かった! 私もいいと思いますよ」と笑い、こう続けた。

「フォームのバランスが良くなっている証拠でしょう。バランスが悪ければケガにつながったり、技術的な進歩はありません。いま持っている10の力を使おうとするとき、バランスが良ければ、限りなく10に近い力が伝えられるようになる。その意味でも、今の時期はバランスをしっかりとつくることが大事なんです。これから徐々に筋力や体力がついてくると、より体のパワーを使えるようになるはずです」

 安樂が再び150キロ級の剛球を投げる日は確実に近づいている。安樂が自身の投球に対して「まだまだ」と言うのは、その筋道が少しずつ見えてきたからだろう。

「できる、できないは別にして、大きいものを求めているので。いいボールを投げたいと思って練習していますし、最終的な目標として150キロ、160キロを求めていかないといけないと思います」

 楽天は球団として「安樂を2年間ファームで育成する」という方針を打ち出している。焦らず、ゆっくりと力をつけてほしいという、大器へのメッセージ。だが、今の状態とあくなき向上心を見る限り、安樂が一軍の舞台で輝く日は前倒しされるような気がしてならない。

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