プロ野球「パ強セ弱」の原因は高卒ルーキーの起用法にあった (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Tomohiro Motonaga
  • photo by Jiji photo

―― 今をときめく日本ハムの大谷や、東北楽天の松井裕樹も、高卒1年目からどんどん出番がありました。

小関 高卒を大事にしないチームには、柱となる選手は育ちません。もちろん古田敦也さんや宮本慎也さんのように、大学→社会人を経て2000本安打を打つ人もいますが、統計的に見ればごく稀です。長くチームの中軸を担うのは、やはり高卒選手なのです。大化けする可能性のある高卒選手を中心に長い目でチームづくりをする球団が強くなります。

―― ただ、小関さんが昨年12月に上梓した『間違いだらけのセ・リーグ野球』には、「今のようなパ・リーグの黄金時代がずっと続くとは思っていない。セが逆襲する日が必ず来る」と書かれています。

小関 歴史をひもといてみると、どちらかのリーグが強いというのは、最大で14年です。そろそろセ・リーグの巻き返しが始まるでしょう。巨人は高橋由伸、阪神は金本知憲が新監督になり、若手を抜擢する方針を口にしていますから、期待できると思います。伝統球団の巨人・阪神が変われば、当然、セ・リーグの野球も変わっていくはずです。


プロフィール
小関順二(こせき じゅんじ)
スポーツライター。1952年、神奈川県横須賀市生まれ。日本大学芸術学部卒業。88年、ドラフト会議倶楽部を結成し、ドラフト本番前に行う「模擬ドラフト」が話題に。プロ・アマ合わせて年間300試合超の観戦に駆け回る野球の語り部。2015年12月に『間違いだらけのセ・リーグ野球』(廣済堂新書)を上梓した。

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