プロ野球「パ強セ弱」の原因は高卒ルーキーの起用法にあった (4ページ目)
―― ソフトバンクや日本ハムなど、パ・リーグにはいいお手本があるのに、セ・リーグのチームはなぜ参考にしないのでしょうか。
小関 セ・リーグの人気球団にはプライドがあって、「どうして真似しなくちゃいけないのか」という思いがあるのでしょう。もともと、セ・リーグはパ・リーグのやり方をずっと反対してきました。DH制も、交流戦も予告先発もそうでした。
―― とはいえ、巨人が3軍制を取り入れるなど、変化の兆しも見えてきました。もともと3軍制を敷くソフトバンクを参考にしたとも考えられます。
小関 昨年、巨人の1番打者として活躍した立岡宗一郎は、ソフトバンク時代に一軍で1試合しか出場していません。中日で106試合に出場し、打率.269と活躍した亀澤恭平はソフトバンクで3シーズン、育成選手として過ごしました。ヤクルトで6勝を挙げた山中浩史も、ソフトバンクでは1勝も挙げることばできませんでした。そんな選手がセ・リーグではレギュラーやローテの一角になれるのですから、すごいことです。ソフトバンクの7年間で15勝しかできなかった大場翔太がどんな活躍を見せるか楽しみです。
―― 結局、パ・リーグが優位に立っているのは、監督の采配よりもチーム編成ということですね。
小関 そうです。パ・リーグはほとんどの球団が長い目でチームづくりを考えるようになったので、監督が交代しても、あまり強さに変わりがない。極端に言えば、誰が監督をしても、スター選手が抜けても、ある程度の成績を残せるチームができています。「フロントが中心になってチームづくりをする球団は強い」と言えるでしょう。監督は数年で代わりますが、フロントはもっと長くチーム編成に関わることができますから。たとえば、楽天は2年連続で最下位でしたが、私は心配していません。フロントがしっかりしているので、大丈夫です。ドラフト会議の指名を見ても、しっかりと先を見据えています。成績が悪くてもそれができるのはすごいことです。
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