山本昌が語る「ラジコンとV12エンジンと肩甲骨」の奥深き世界 (3ページ目)
山﨑 ………あれ? これ対談ってまだ続いているの?
—— 申し訳ありません。続いています……。小学校の休み時間のように嬉々とされているので話に割って入れませんでした。ちなみに、野球界でこんなに車の話できる人は他にいるんですか。
山本 うーん、どうでしょうねぇ。車に関しては、一番マニアックだと思います。
山﨑 みんな興味が違うんだよなぁ。フェラーリに乗りたいとかいう人はいる。だけど、フェラーリのこういうところが好きだからこう乗るとか、そういう思想がないよね。ただふたりとも好みは違うけどね。山本さんはクラッシック好きで、僕はハイテク好き。
山本 うまい具合に分かれているんだよね。
———— ラジコンでも車でもパーツやメカニックがどうやらと、よりマニアックになっていきますが、野球の方ではどうなんでしょうか?
山﨑 すごいよ。この人、ピッチャーのことを語らせたら、本当に変態的ですからね。
山本 うん。打つことは全然わからないけど、投げることに関しては負けないと思う。
山﨑 めちゃくちゃ理論持っていますよね。一流選手は皆、何かしらの方法論を持っているけど、どうしても感覚的になってしまうことが多いんです。だけど山本さんは感覚でものを言わない。ロジックがあるんですよ。
山本 まぁ、キャッチボールがどういうものなのかを一から説明できるようにはなったよね。でもそれって、みんなができていることを言語で説明できるだけなんだよ。例えば、今ここにボールペンがある。字が書けるだけで十分なんだけど、このペンは分解すると中にスプリングが入っていて、ノックすると、インクの芯が出てくるって構造を知っている。そういう説明ができるだけ。別に知らなくてもいいことだよ。ただ、僕はこれが説明できるようにと25年くらい前から勉強したんだよね。投げることに関しては誰にも負けないくらいスペシャリストになろうと勉強したから。
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