山田哲人「伝説の3連発」がシリーズの命運を変えるか!? (4ページ目)
山田自身も初戦、2戦目と、この日の試合の間に大きな変化はなかったと言った。
「初戦からいい感じなのはわかってたので、特に何かを変えたということはありません。(早出の)ティーは、やっぱりしたいですね。いろいろと修正ができるので。(そういう意味で)神宮で試合ができるのは大きいですね。打席からの景色もいいですし(笑)」
この3本目のホームランで、ヤクルトは今度こそ「勢い」をがっちりとつかんだようだった。中継ぎの石山泰稚、久古健太郎、ロマン、オンドルセクが、目の覚めるようなピッチングを披露。打線も、8回には畠山和洋のソロ本塁打で待望の追加点をあげると、雄平はシリーズ初安打を放ち、中村悠平の二塁打で一挙に3得点。試合を確実なものとして、9回表は抑えのバーネットがきっちりと試合を締めた。
重苦しかった試合も、終わってみれば8対4の快勝。ヤクルトはシリーズを1勝2敗とした。何よりも“キー”となる山田の3本のホームランが、チームに与えた影響は計り知れないはずだ。三木肇作戦兼内野守備走塁コーチもそれを否定しなかった。
「そうですね。自分の力を思い切って出せるというのは(山田)哲人らしいですよね。そこには日々の努力と、技術もあるのですが、本当に素晴らしいと思います。3本目のホームランも(川端)慎吾がツーアウトから、しっかりとボールを見極めてフォアボールを選んだから生まれた。その辺からですよね、うちらしい野球ができるようになったのは。つながりから、山田だったり畠山がランナーを返していく。細かいとこで言えば、捕手の中村(悠平)が、6回、7回と連続で三振ゲッツーをとったり、上田(剛史)も1球で送りバントを決めた。神宮に戻ってきて地の利もあって、少しはうちの野球ができたと思います」
この試合でヤクルトが勢いをつけたのは間違いない。これからの戦いもグッと濃密なものとなるだろう。そしてなによりも、山田の1試合3打席連続ホームランは、 “伝説”としてこの先も語り継がれるに違いない。
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