コイツはまだ使える。戦力外の中から「お宝」を探せ!

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 プロ野球ドラフト会議で指名され、新たにプロの世界へと飛び込んでくる新鋭がいる一方で、新戦力に押し出される格好で「戦力外通告」を受ける選手たちもいる。残酷な世界だが、球団が契約を結ばないということは、それなりに理由があるものだ。

長距離砲として期待されながらも実力を発揮できなかった鵜久森淳志長距離砲として期待されながらも実力を発揮できなかった鵜久森淳志

 それでも、なかには「まだできるはず」「環境が変われば......」と思わせるような素材がいることも確か。毎年、戦力外通告を受けながらも合同トライアウトなどでアピールし、新たな球団と契約を勝ち取る選手が現れる。

 昨年、オリックスから戦力外通告を受けてトライアウトを受験した八木智哉は、今季、中日で4勝6敗、防御率3.92とまずまずの結果を残した。また、中日を解雇された堂上剛裕は巨人に移籍し、勝負強い打撃で59試合に出場、打率.276、3本塁打と一軍戦力になっている。

 そこで、彼らに続けと、今年あえなく戦力外通告を受けた選手のなかから、「まだ開花の可能性があるかもしれない」と思わせる人材を探してみた。

 多くのファンに夢を抱かせながら、とうとう戦力外通告を受けてしまったのが鵜久森淳志(28歳)だ。日本ハムに入団したのは2004年でダルビッシュ有(レンジャーズ)と同期。済美高時代は甲子園で春夏合わせて5本塁打を放った大型スラッガーだった。

 プロ入り後は2009年にイースタン・リーグで20本塁打を放つなど、ファームでは11年間で84本塁打をマーク。だが、一軍では2012年の4本塁打が最高で、通算でも6本塁打にとどまった。

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