失意のシリーズ初登板。ヤクルト石川雅規に「次」は訪れるか? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 今シーズン、石川は35歳にして自己最多タイの13勝をマークしたが、全投球回数は過去2年を下回った。これは石川が原点に立ち戻ったことの証なのだろう。

 そして迎えた、初めての日本シリーズ。石川は「いつも通り、いい緊張感を持って入れました」と試合後に話したが、"悔しい"結果となった。

 初回、二死満塁のピンチをしのぐと、2回、3回は三者凡退。しかし4回、一死から5番の松田宣浩にソロ本塁打をレフトスタンドへ運ばれたのをきっかけに、6連打を浴びて3失点。5回のマウンドに姿を見せることなく、4回を8安打、3失点で敗戦投手となった。試合後、キャッチャーの中村悠平は、次のように語った。

「石川さんの調子は悪くなかったと思います。初回のピンチをピンチはきっちり抑えることができましたし......4回のあの3点だけだったので」

 一方、石川は厳しい口調で試合を振り返った。

「ホームランを打たれた後、しっかりと抑えないといけなかったですね。(本塁打を打たれるまでの投球については)どうですかね......ランナーを出しても粘るのが自分のピッチングなので。うーん、ホームランの次を粘っていかないといけなかった。最初の試合を任された以上、(この結果は)申し訳ないですね。今日やってきたことの反省を踏まえて、次につなげていきたいと思います。そしてシーズン同様のピッチングができればと思います」

 翌日の試合でもヤクルトは小川泰弘で落とし、2連敗となった。シリーズ第3戦から舞台は本拠地・神宮球場となる。状況的に厳しいことは変わりないが、石川に「悔しさ」を晴らすチャンスはまだ残されている。この先、劇的なドラマは起こるのだろうか。

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