ドラフト直前、今年の「隠し玉」はこの4人だ! (3ページ目)
そういうサウスポーが高校生にもいる。愛知・誉(ほまれ)高の内田大貴(左投左打)。身長172センチと、見た感じはどこにでもいそうな普通の高校生左腕だ。だが、いざ投げると様相が一変する。
このサウスポーは、スライダーで左打者の体を起こし、踏み込もうとする右足を凍らせるのだ。かつてヤクルトに加藤博人という左腕がいて、頭に当たりそうな軌道からストンと曲がり落ちるカーブで松井秀喜(当時・巨人)をはじめとする左打者の踏み込みを完全に遮断した時期があったが、まさにあの軌道とそっくりだ。
ストレート以上の腕の振りから、むしろストレート以上のスピード感で左打者を威圧する。そのスライダーで上体を起こしておいてから投げるクロスファイアー。持ち球はすでにプロのボールだ。何年かファームで鍛えてから、というレベルではない。短いイニングならすぐに使える逸材だ。
真昼の神宮で、かつての福本豊の守備を彷彿させる選手がいた。ジャストミートした打球がセンター頭上を襲う。「落下点はあそこだ!」と決めると、一目散に背中を丸めて走る。打球なんか見ていない。もういいだろうと振り向けば、打球はその少し先にあり、さらにスピードを上げて落下点にもぐりこむ。
捕るだけじゃない。カットに入った内野手に返す送球の速さ。これがまた素晴らしい。少々説明が長くなったが、そんな完璧な守備をする選手が、日本大の外野手・山崎晃大朗(左投左打)だ。
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