2015.07.14

柳田悠岐のフルスイングはいかにして完成したのか?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 牛島寿人●写真 photo by Ushijima Hisato

 現在、ソフトバンクの柳田悠岐は、打率.374(リーグ2位)、本塁打17(同5位)、盗塁16(同3位)と初のタイトル奪取はもちろん、史上9人目のトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)も十分可能な位置につけている(成績はすべて7月13日現在)。トリプルスリーといえば、かつて本人から聞いた言葉が印象に残っている。

西武・秋山翔吾とハイレベルな首位打者争いを繰り広げている柳田悠岐

 5年前の秋。ソフトバンクからドラフト2位指名を受けた数日後、広島経済大学のグラウンドで取材した時のことだ。地方リーグながらずば抜けた身体能力を持ち、当時、日本ハムの「糸井嘉男(現・オリックス)二世」と呼ばれていた男に、「将来はトリプルスリーを狙いたいか?」と聞くと、柳田からこんな答えが返ってきた。

「3割、30本、30盗塁より……僕は1番という打順が好きで、1番やのにホームランが37本! でも、打率は2割7分みたいな……そんな選手になりたいです。そっちの方が格好よくないですか?」

 さらに、プロフィールの確認のために身長と体重を聞くと、「身長は187.2センチ、体重は89.8キロ」。50メートル走のタイムと遠投についても「50メートルは5秒94で、遠投は調子がいい時で125メートルです」と、とにかく細かい数字を出してきたのだ。

 この時、柳田悠岐という選手の個性に触れたような気がした。それと同時に、プロでの活躍の予感が広がったことも確かだった。