柳田悠岐のフルスイングはいかにして完成したのか? (4ページ目)
走攻守にわたってワイルドなプレイスタイルから、粗っぽい選手に見られがちだが、実はそうではない。小学校時代の恩師が、当時の印象として挙げていたのが「体は小さいけれど足が速くてすばしっこかった」「とにかくバットコントロールが抜群に上手かった」というもの。
あるトレーナーに取材をした時、こんなことを言っていたのを思い出した。
「巧緻性(こうちせい)や体の身のこなしといった能力は、小学4~6年で決まります。この時期を我々の世界では“ゴールデンエイジ”と呼びますが、ここの過ごし方で、いわゆる“センス”が決まります」
柳田は、大型選手でも力自慢タイプでもなかった少年期に体を使いこなせる巧緻性やボールを捉えるセンスを身につけ、その後、骨格が発達。大学の4年間で約20キロ増のド迫力ボディに変わっていく中で、本来のバットコントロールにフルスイングによるパワーもプラス。確実性と長打力を手に入れた。だからこそ、あれだけフルスイングをしても3割7分を超える高打率を残しているのだろう。
トリプルスリーさえ通過点に感じさせる規格外の男には、日本人初、メジャーでもわずか4人しか達成していない40本塁打、40盗塁の「40-40(フォーティー・フォーティー)」まで期待してしまう。はたして、柳田の成長はどこまで続くのだろうか。
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