将来の4番候補。岡本和真に待望のプロ1号はいつ出るのか?

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

高卒ドラフト1位たちは今~巨人・岡本和真

 巨人のドラフト1位ルーキー・岡本和真が公式戦のなかった7月6日、川崎市にあるジャイアンツ球場での一軍の全体練習に参加した。昇格ではないものの、ついに一軍から声がかかったのだ。緊張しながら打撃練習のバッターボックスに入った岡本は、背中にいくつもの視線を感じていた。約70スイングの品評会。岡本は「自分がやれることをやろうと思いました。初めてのことだったのでとても勉強になりました」と振り返った。

智弁学園時代、高校通算73本塁打を放った岡本和真智弁学園時代、高校通算73本塁打を放った岡本和真

 原辰徳監督はじめ一軍の首脳陣が岡本を見るのは、2月の春季キャンプ以来。原監督は「久しぶりに現状がどういうものなのかと......。春に比べると成長していると思います」と評価した。

 これまで高橋由伸阿部慎之助、元広島の前田智徳など、多くの名選手を育ててきた内田順三二軍打撃コーチも「高卒1年目の選手で、あれだけ木製のバットを使いこなせる選手は珍しい」と言い、キャンプで視察した松井秀喜氏も内田コーチに「いいバットの出し方をしていますね」と告げたという。

 打撃は、春よりも成長しているとの判断だ。だが7月13日の時点で、イースタンリーグの43試合に出場し、打率.255、0本塁打、9打点と、まだプロに入って1本も本塁打が出ていない。高校通算73本塁打を放ったスラッガーの面影は消え、巧みなバットコントロールからヒットを放つ中距離ヒッターのような感じなのである。岡本は言う。

「長距離打者として期待されて入ってきたのに、本塁打が出ていないのは悔しい。早く1本打ちたいという気持ちはあります」

 首脳陣から評価は受けているが、成績が出ていない。その最大の要因は、たび重なるケガだった。

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