新守護神候補・澤村拓一が語る「理想のクローザー」
2月13日。巨人・澤村拓一が新たな挑戦への第一歩を踏み出した。宮崎での春季キャンプ、第3クール。この日行なわれた紅白戦で、澤村はリリーフ転向後、初めて実戦のマウンドに立った。
「ひとりずつアウトにすることだけを考えました」
今季からリリーフに回ることになった澤村拓一
今年から新しく生まれ変わったビジター用のブルーのユニフォームを着て、澤村は5回から登板。いきなり対戦するのはチームの主砲・阿部慎之助。自分の力を試すには絶好の相手だった。
これまでなら、長いイニング投げることを想定してペース配分を考えていたが、これからは1イニングに全力を注げばいい。澤村は阿部に対して3球続けてストレートで押し、一塁ゴロに仕留めた。続く村田修一、亀井善行といった主力もあっさりと打ち取り、危なげなく三者凡退。原辰徳監督も「澤村の球には勢いがある」と評価。"新守護神"誕生を予感させるピッチングを見せた。
ただ、澤村は「まだ満足できる内容じゃない」と慎重だ。守護神というポジションは簡単に奪えるものではないと、澤村自身が理解している。7年連続して60試合以上に登板している山口鉄也や、160キロ近いストレートが武器のスコット・マシソンといった実績ある投手たちとの競争に勝たなければならない。何より、リリーフ投手の努力と苦労を目の前で見ていることも影響している。
澤村は2013年、シーズン後半からクライマックス・シリーズ、日本シリーズとリリーフを経験した。毎日ブルペンで肩を作らなければならない大変さや、どんな状況でマウンドに上がるのかわからない不安など、準備することの難しさを痛感した。
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