2年連続2ケタ勝利も阪神・藤浪晋太郎が喜べないワケ (3ページ目)
試合直前のブルペンの様子を、ある関係者は「緊張していた」と証言した。「口数がいつもより多かったし、『よしっ』とか、『いつも通りでいいか』と、自分に言い聞かせるように言っていた」と。それが普通だろう。プロの世界で何年もプレイしたベテランでさえ、日本シリーズは特別だと言う。まだ、20歳の藤浪が緊張しても誰も驚かない。むしろ、緊張感と悔しさを知ったことこそが、藤浪の財産になるのではないだろうか。チームが頂点をかけた戦いに挑んだのは9年ぶりのこと。その貴重な年に先発3本柱の一角と担い、大舞台を経験したことを今後に生かさない手はない。
「日本シリーズで投げたのは大きな経験。それを来年にどうつなげるか、だな。3年目が大事だから」
中西清起投手コーチはそう言って、若きエース候補に期待した。藤浪には来年こそ、胸を張って「10勝しました」と言ってほしい。
3 / 3