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阪神の助っ人4人衆が史上初の快挙に挑む! (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 横山雅樹●写真 photo by Yokoyama Masaki

 来日5年目のマートンは過去に3度シーズン最多安打を記録し、3割以上も3度マークするなど安定した打撃を披露してきた。今季もマルチ安打は50試合を数え、猛打賞(1試合3安打以上)も14試合で記録。

 新外国人のゴメスは、来日が遅れ、オープン戦でも結果を残せず「本当に大丈夫か?」と疑問符がついてまわった。しかし、開幕すると25試合連続出塁の球団記録を樹立。また、巨人戦では打率.307、6本塁打と勝負強さを発揮し、不動の4番として文句のない成績を残している。

 呉昇桓は"韓国の至宝"の期待を裏切ることなくセーブを量産。4月11日の巨人戦から5月10日の巨人戦にかけて10度の登板を果たし、その間、1本の安打も1点も許さない完璧な投球を見せた。

 マートンとともに来日5年目のメッセンジャーはリーグトップの投球回(189回1/3)をマークするなど、チームにとって欠かすことのできない存在となっている。また、3完封もリーグトップ。これぞ助っ人という働きでチームを支えている。

 阪神OBの藪恵壹氏は次のように語る。

「所属している外国人選手すべてが活躍することって過去になかったんじゃないでしょうか。それだけに今年の阪神の外国人選手の活躍はすごいことだと思います。外国人選手の活躍はチーム躍進の原動力になりますので、本来なら優勝していても不思議ではないのですが......(笑)」

 さて、外国人選手と個人タイトルの歴史を振り返った時、同一球団から複数の外国人選手が個人タイトルを獲得したのは、実は意外なほど少ない。しかも、今年の阪神のように登録している外国人選手すべてがタイトルを獲得したことは、いまだかつてない。

2002年 近鉄(現・オリックス)
タフィ・ローズ/打点王
ジェレミー・パウエル/最多勝
その他、登録外国人選手...ジーン・バークマン、ナイジェル・ウィルソン、マイク・ジョンソン

2007年 ヤクルト
セス・グライシンガー/最多勝
アレックス・ラミレス/打点王
その他、登録外国人選手...ディッキー・ゴンザレス、アダム・リグス、アーロン・ガイエル、ブライアン・シコースキー、アレックス・ラミレス・ジュニア

2008年 巨人
マーク・クルーン/最多セーブ
アレックス・ラミレス/打点王
その他、登録外国人選手...イ・スンヨプ、ルイス・ゴンザレス、ジャン・チェンミン、エイドリアン・バーンサイド、セス・グライシンガー、ウィルフィン・オビスポ

 この3つの例を知れば、マートン、ゴメス、呉、メッセンジャーが成し遂げようとしていることの凄さがわかる。

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