原辰徳監督が父・貢氏から受け継いだ「勝利のDNA」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takaashi
  • 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi photo by Nikkan sports

 そしてまた、そのDNAは孫である菅野智之にも受け継がれているという。

「野球人としての智之は、オヤジさんが育てたようなものですから。智之も頑固で負けず嫌い。完全に原家の血ですよ」

 そして最後に岩井氏はこう語った。

「寂しいけどね、僕はオヤジさんが死んだとは思っていないんですよ。『おい、岩井くんおるか!?』って、今にも出てきそうな気がする。入院中はもちろん、家族で密葬だったのでオヤジさんの亡骸を見ていないんです。だから死んでしまったという現実感がないんです。きっと、教え子たちにそういう姿は見せるなって、近親者には伝えていたんだと思う。怖い人だったけど、温かい人でした。今の時代にはそぐわない指導スタイルだったかもしれませんが、辰徳が立派な監督になっているのだから、オヤジさんの教育法は間違いではないと思います」

 貢氏の野球に対する情熱は誰よりも熱かった。それゆえ、恐れられもしたが、すべては勝利のため。そのDNAは10年間でリーグ優勝6回、日本一3回を達成した辰徳氏にしっかり受け継がれた。

 長年、野球界に大きな貢献を果たした故人のご冥福を心よりお祈りします。

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