復活のマウンドへ。斎藤佑樹が導き出したひとつの答え (5ページ目)
試合後、すでに1週間後、一軍のマウンドに上げることを告げられていた斎藤は、胸を張ってこう話した。
「ピンチになれば変化球とかツーシームに頼りたくなっていたのが、真っすぐでいきたいと思えるようになってきました。今までは変化球を投げ過ぎて自滅することがあって……確かに変化球も大事なんですけど、真っすぐで行ける状態なのに、行けなかったことが自分を狂わせてしまうことに気づきました。二軍でも一軍でも、やるべきことは変えられない。今の僕にとって、相手と場所と雰囲気は意味のないものです。一軍の試合で勝てなかったらどうしようという気持ちではなく、今の状態をシーズン終盤まで続けなくちゃいけないという感じでいます」
思えば、5月29日の西武第二と6月7日の室蘭の間には、大事な一日があった。
6月6日、斎藤は26歳になった。2年前の誕生日、札幌ドームで勝って以来、彼に一軍での白星はない。風を大事にする斎藤が、ひとつ歳を重ねた日、何かに気づいたとしても不思議ではない。
変わる必要なんか、どこにもない。
もうひとりの自分なんか、どこにもいない。
過去をすべて呑み込んで、7月12日、斎藤佑樹は札幌ドームのマウンドに立つ。
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