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恩師が語る「2014年の大谷翔平に期待すること」 (2ページ目)

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 プロでの経験を経て、たくましくなった教え子。だが、変わらないものもあった。オフに、地元・岩手へ帰省した大谷の姿を見た佐々木監督は、ちょっと嬉しかった。

「プロ野球選手になったからといって変わることなく、高校時代と同じように飄々(ひょうひょう)と帰ってきました。全然変わっていなかったので、安心しました」

 それでも、実際に目の前にした大谷の体つきには、「正直、びっくりした」という。

「これだけ体は成長するのかと思うぐらいに大きくなっていましたね。腕も太くなって。僕は、大谷の体がしっかりできてくるのは22歳ぐらいからだと思っていたのですが、予想以上に早かったですね」

 昨年、大谷の身長は止まった。つまり、「縦の成長」が止まり、「横の成長」へと移行した。その結果、骨格が出来上がり、その周りに筋肉がつき始めて体重が増加した。その変化は今シーズンに入ってからも続いている。2月中旬、春季キャンプで大谷はこう話していた。

「昨年から4キロ体重が増えましたが、このキャンプでさらに1キロ増えました」

 胸や肩周辺の筋肉がつき過ぎると、ピッチングに悪影響を及ぼすと言われている。要するに、可動域が狭くなり、しなやかな腕の振りができなくなるためだ。もともと「腕のしなり」で160キロ近いスピードボールを投げる大谷にとって、筋肉増加はどんな影響を及ぼすのか。

 実際、今年のキャンプイン直後は投球フォームのばらつきを指摘された。佐々木監督も「体が大きくなったことで、力に頼り過ぎるフォームにならなければいいなと思っています」と言う。

 だが、周囲の心配をよそに、オープン戦では3試合、13イニングを投げ、防御率1.38。3月22日に行なわれた巨人戦では、5イニングを投げて被安打5、無失点。4つの三振を奪う中、ストレートはプロ入り後、最速タイとなる157キロを叩き出した。

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