「大卒ルーキーには負けられない」。
高卒5年目の男たちがブレイク中 (4ページ目)
なかでも注目は、大学ナンバーワン投手として昨年の侍ジャパンのメンバーにも選ばれた大瀬良だ。長崎日大高時代の大瀬良は、3年夏に長崎県大会の準々決勝でセンバツ優勝投手の今村に投げ勝つなど、チームを甲子園へと導いた。甲子園では初戦で花巻東の菊池と対戦。試合には敗れたが、終盤まで互角の投げ合いを演じるなど、能力の高さを見せつけた。そしてライバルたちがプロに進む中、大瀬良は大学に進み、4年後のプロを目指した。
「高校の時は、プロでやっていける体力も自信もありませんでした。大学で4年間やって、ようやくプロでやっていけるかもと思えるようになった」
その言葉通り、大学では3季連続MVPを獲得するなど、通算38勝、防御率1.07と圧倒的な数字を残した。そして大瀬良は「プロではこの4年間で成長したところを見せたい」とも語った。
大瀬良とかつてのライバルであり、プロでチームメイトとなった今村は次のように語る。
「大瀬良は高校時代からすごいボールを投げていた。ずっと意識していた。今は同じ舞台に立てることが嬉しい。でも、どこかで負けたくない気持ちもある。プロで4年間やってきた意地を見せないといけないですし」
2011年、4年間の大学生活を終えてプロ入りした斎藤佑樹は、高校時代のライバル・田中将大とプロの舞台で初めて投げ合い1-4で敗れた。その試合後、斎藤はこう語った。
「これが4年間の差だと思います」
はたして、高卒5年目の選手たちは、大卒1年目のルーキーたちに「4年間の差」を見せつけることができるのか。今季、彼らの活躍から目が離せない。
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