2014.03.14

「大卒ルーキーには負けられない」。
高卒5年目の男たちがブレイク中

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

 高校からプロ入りした選手にとって、5年目というのは特別な意味を持つ。なぜなら、大学を卒業した同級生たちがプロに入り、再びライバルとして戦わなくてはならないからだ。4年早くプロ入りした"先輩"として、大卒の同世代には負けるわけにはいかない。

現在、オープン戦首位打者の広島・堂林翔太。

 かつてイチローは、こんな言葉を残している。

「高校からプロに入ったあとの3年間では常に大学や社会人に進んだ選手を意識して、同い年の1番いい選手が入ってくる時、僕がその彼よりも劣っていたら許されないと、ずっと思っていました。僕はプロの世界に入ったわけですから、野球漬けの毎日になって、そこで感じるものは大学生とは明らかに違うはずなんですよ。そういう環境で過ごしてきた自分が、彼らよりも劣っているなんていうことは想像もできなかったし、絶対に許されませんでした」(『イチローイズム』集英社刊)

 その言葉通り、イチローはプロ3年目にシーズン210安打を達成し、首位打者を獲得。以後、7年連続首位打者に輝くなど、5年目を迎えるまでに確固たる地位を確立した。

 そして今季、高卒5年目の選手たちが大卒1年目の選手に負けまいと、キャンプ、オープン戦から元気な姿を見せている。

 そのひとりが2009年にドラフト1位で西武に入団した菊池雄星だ。入団3年目の2012年までは思うような活躍はできなかったが、4年目の昨季は左肩の負傷で戦線離脱する夏場まで17試合に登板して、9勝4敗、防御率1.92の好成績を残した。その大きな要因となったのが、大学に進んだ同世代へのライバル心だった。

「大学に進んだ同級生より4年先にプロに入って、彼らに『菊池は何をやっていたんだ?』と言われないようにしなきゃと思ったし、自分でも『4年前に入って正解だったな』と思えないといけないとも感じました。高校の時に試合で勝った相手に負けるのは、やっぱり悔しいことなので......。いつでも一番になりたいと、強く思いますね」